次の日、僕は学校を休んだ。
泣き過ぎて目は腫れてるし、顔は浮腫んでる。
とても学校で晒せる顔じゃない。
(このまま永遠に学校行きたくない)
今日で約束の一週間だ。
昨日の時点で、動画は消してくれると春宮が約束してくれた。
(だから、これで良かった)
これで、僕たちの秘密は守られた。
だけど。
失いたくない人を失った。
(始まりから普通じゃなかったんだから。きっと、こんな日はいつか来ていたんだ)
春宮の介入がなかったとしても。
キスから始まった、好きがわからない者同士の関係が続くわけない。
「だから、これで、終わり」
口に出したら悲しくて、情けない涙がポロポロ零れる。
「僕がサヨナラって言ったのに。僕から離れたのに」
昨日から、スマホは鳴らない。
その静けさが、答えなんだと思った。
僕たちは、終わったんだ。
何も始まってなかったのに。
始まる前に、終わった。
「ふぇ……ふぇぇ」
涙が止まらなかった。
——カラン
鞄から、何かが落ちた。
僕はベッドから起き上がって、鞄の周囲を眺めた。
床に、鍵が落ちていた。
「これ、空き教室の鍵」
碧が預けてくれた、秘密の場所の鍵。
二人の大切な時間の鍵だ。
「これも、返さなきゃ」
手の上の鍵を見詰める。
僕はその鍵を、大切に握り締めた。
スマホのバイブが鳴った。
ドキリと心臓が跳ねる。
僕は鍵を握り締めたまま、恐る恐るスマホを覗いた。
「あ、光飛からか……」
安心したような、がっかりしたような声が漏れた。
『大丈夫か? 話したいことあるから、元気なら学校来いよ』
光飛のメッセに、少しだけ安心した。
あんなことがあっても、光飛はいつも通りだ。
(でも、碧とは……)
今まで通りにはできない。
あの言葉が本心じゃなくても、鍵を持っていても。
もうあの時間は戻らない。
「この鍵、返そう」
僕は唇を強く噛んだ。
もう二度と、あの教室には行かない。
そう決めたはずなのに。
鍵を握った手だけは、どうしても開けなかった。
泣き過ぎて目は腫れてるし、顔は浮腫んでる。
とても学校で晒せる顔じゃない。
(このまま永遠に学校行きたくない)
今日で約束の一週間だ。
昨日の時点で、動画は消してくれると春宮が約束してくれた。
(だから、これで良かった)
これで、僕たちの秘密は守られた。
だけど。
失いたくない人を失った。
(始まりから普通じゃなかったんだから。きっと、こんな日はいつか来ていたんだ)
春宮の介入がなかったとしても。
キスから始まった、好きがわからない者同士の関係が続くわけない。
「だから、これで、終わり」
口に出したら悲しくて、情けない涙がポロポロ零れる。
「僕がサヨナラって言ったのに。僕から離れたのに」
昨日から、スマホは鳴らない。
その静けさが、答えなんだと思った。
僕たちは、終わったんだ。
何も始まってなかったのに。
始まる前に、終わった。
「ふぇ……ふぇぇ」
涙が止まらなかった。
——カラン
鞄から、何かが落ちた。
僕はベッドから起き上がって、鞄の周囲を眺めた。
床に、鍵が落ちていた。
「これ、空き教室の鍵」
碧が預けてくれた、秘密の場所の鍵。
二人の大切な時間の鍵だ。
「これも、返さなきゃ」
手の上の鍵を見詰める。
僕はその鍵を、大切に握り締めた。
スマホのバイブが鳴った。
ドキリと心臓が跳ねる。
僕は鍵を握り締めたまま、恐る恐るスマホを覗いた。
「あ、光飛からか……」
安心したような、がっかりしたような声が漏れた。
『大丈夫か? 話したいことあるから、元気なら学校来いよ』
光飛のメッセに、少しだけ安心した。
あんなことがあっても、光飛はいつも通りだ。
(でも、碧とは……)
今まで通りにはできない。
あの言葉が本心じゃなくても、鍵を持っていても。
もうあの時間は戻らない。
「この鍵、返そう」
僕は唇を強く噛んだ。
もう二度と、あの教室には行かない。
そう決めたはずなのに。
鍵を握った手だけは、どうしても開けなかった。



