初田ハートクリニックの法度

  初田ハートクリニックは、十二時から十四時の間は休診だ。

 この時間、ネルは玄関のガラス戸を拭いて、玄関周辺の掃き掃除をする。

「ふんふんふん~。キラキラピカピカにしましょうね~」

 鼻歌を歌いながらのんびり窓を拭き上げる。

 とおりかかるご近所さんと、笑顔で挨拶をかわす。

「こんにちは原さん。今日は気持ちがいい天気ですねぇ」

「そうね、ネルちゃん。お洗濯ものがよく乾きそう」

「えへへ。そうですね。せっかくだからお昼寝用のおふとんも干そうかな」

 クリニックの仮眠室には、ネルの快眠グッズがそろっている。

 ふとんだけで三種類。

 枕もビーズ素材、ソバガラ、羽毛といろんな種類がある。

 その日の気分でお昼寝布団を変えている。

 ネルの主治医がナルコレプシーの治療として、日に一回以上の昼寝をすすめている。

 それをうけて初田が昼寝を許可していた。だからネルはお言葉に甘えて、思う存分昼寝している。