初田ハートクリニックの法度

 少しの休憩のあと、コウキは礼美に聞きながらオムレツを作った。

 焦げ目のある見栄えの悪いオムレツを、礼美は美味しいと言って泣きながら食べた。

 コウキも、生まれて初めて自分で作ったオムレツを食べる。

 舌触りは悪いしうまく混ざってないから、一部やたら塩気が強い。

 そのことも日記に書き込む。

「不味い。次はもっとうまく作る」

「次も作ってくれるのね」

 こんなに不味いのに、礼美が美味しいと言う理由がわからない。

(わからないけれど、美味しい、すごいねと言ってもらえたことは胸がむずがゆくなる)

 気がつけば今日一日感じたことを書いた日記は、まるまる三ページを使っていた。