「でも、あの、助かりました。私、母のために医者になりたいんです。昨日は塾の受講料を持っていたから、取られていたら通えなくなるところでした」
「へえ」
「母はうつ病になってから部屋にこもりがちなので、医者になれば支えてあげられると思って」
廉也の言う本当に医者になりたい人間というのは、白兎のような人を指すのだろう。
「その大事な大事な勉強のための金を、あんな馬鹿どもに差しだそうとするなんて。お前馬鹿だな」
「返す言葉がないです……」
ほぼ初対面の平也にここまで言われても言い返せず、下を向いている。
「金を取られるのが嫌なら、せめてプランクトン以上にはなれよ。じゃあな」
空になった缶をくずかごに投げ入れて、平也は教室に戻る。
気弱だが、白兎は平也よりはまともな医者になるのだろう。
無自覚に自己犠牲な面があり、親を気遣う……おそらく初斗と気が合うタイプだ。
翌月、白兎は母の療養のためということで神奈川県の田舎町に引っ越していった。
数年後白兎と初斗が医大で先輩後輩になるのだが、それはまた別の話。
「へえ」
「母はうつ病になってから部屋にこもりがちなので、医者になれば支えてあげられると思って」
廉也の言う本当に医者になりたい人間というのは、白兎のような人を指すのだろう。
「その大事な大事な勉強のための金を、あんな馬鹿どもに差しだそうとするなんて。お前馬鹿だな」
「返す言葉がないです……」
ほぼ初対面の平也にここまで言われても言い返せず、下を向いている。
「金を取られるのが嫌なら、せめてプランクトン以上にはなれよ。じゃあな」
空になった缶をくずかごに投げ入れて、平也は教室に戻る。
気弱だが、白兎は平也よりはまともな医者になるのだろう。
無自覚に自己犠牲な面があり、親を気遣う……おそらく初斗と気が合うタイプだ。
翌月、白兎は母の療養のためということで神奈川県の田舎町に引っ越していった。
数年後白兎と初斗が医大で先輩後輩になるのだが、それはまた別の話。



