初田ハートクリニックの法度

 ミツキは、三月ウサギの三月の読みを変えたもの。

 不思議の国のアリスにおいて、終わりのないマッドティーパーティーは帽子屋・眠りネズミ・三月ウサギの三人で繰り広げられる。

 初斗が帽子屋でネルが眠りネズミなら、自分たちの子は三月ウサギでミツキ。

 家族三人いつまでも仲良くいられるようにと願いを込めた名前だ。

 自分が呼ばれたとわかるのか、ミツキは口を弧にして手を伸ばす。

「ミツキが大きくなるのが楽しみですね。はやく一緒にお茶会をしたいです」

「うん。たのしみ。おにぎりと紅茶を用意しないとね」

 ネルとミツキが退院してきてから、歩とアリスがお祝いを持ってきてくれて、おばあちゃんになった初音と友子もタオルケーキやらオモチャをたくさん持ってきた。

 患者のみんなもおむつやらベビー用品をプレゼントしてくれる。

 多くの人に祝福されてミツキはすくすくと成長し、幼稚園に入る頃には両親の影響で紅茶通になっていた。