初田ハートクリニックの法度

「みんなで思い出を一杯作って、写真を撮りたいわねっていう話。見てよネルちゃん、このネコに集られた初斗を。服がネコ毛でもさもさになって、コロコロで取りきれなくて大変だったのよ」

「わー! 初斗にいさんかわいい! ネコちゃんまみれ」

「え、そっち?」

 写真を両手で握って、目を輝かせるネル。

 大好きな人が大好きなネコに囲まれているという写真は、ネルにとってすごいお宝写真だった。

「これもらっていい? 部屋に飾りたい」

「やめてください」

「フォトフレームなら、仕入れたばかりのオススメがあるわよ」

「買う! 買います!」

 初田の意見はまるっと無視されて、ネルがフォトフレームをお買い上げ。

 家に帰ってから、写真を部屋に飾ると言ってきかないネルと、ぜったいに黒歴史を飾られたくない初田の戦いが始まるのだった。


 閑話8 思い出の形はひとつじゃない 終