「ああ、そうだ。そいつを見て思い出した。『にいさんはここにいますか』ってなんなんだ。最初会ったときに言われてわけがわからなかったんだが」
「今見ているものが本物か、確かめるためです」
「は?」
初田は自分の胸に左手を当てる。
「もうほとんど症状はなくなりましたが、引き取った当初のネルさんは高校一年生で、ナルコレプシーで出眠幻覚を見る状態にあった。だから確かめていたんです。今見ているものは夢じゃないと」
「へえ」
精神科や脳神経科は専門外だから表面的な部分しか覚えていないが、ナルコレプシーは睡眠障害のひとつ。
三十歳の男がわざわざそんな病気の小娘を引き取って看護していたというのだから、変人と言われても文句は言えないと思う。
「光源氏みたいだな」
「当時よく言われました」
「だろうな」
「最初はナルコレプシーの研究をしたかっただけなんですけどね」
さらっと言ってのける初田。
マッドハッターのあだ名は伊達じゃない。
「今見ているものが本物か、確かめるためです」
「は?」
初田は自分の胸に左手を当てる。
「もうほとんど症状はなくなりましたが、引き取った当初のネルさんは高校一年生で、ナルコレプシーで出眠幻覚を見る状態にあった。だから確かめていたんです。今見ているものは夢じゃないと」
「へえ」
精神科や脳神経科は専門外だから表面的な部分しか覚えていないが、ナルコレプシーは睡眠障害のひとつ。
三十歳の男がわざわざそんな病気の小娘を引き取って看護していたというのだから、変人と言われても文句は言えないと思う。
「光源氏みたいだな」
「当時よく言われました」
「だろうな」
「最初はナルコレプシーの研究をしたかっただけなんですけどね」
さらっと言ってのける初田。
マッドハッターのあだ名は伊達じゃない。



