初田ハートクリニックの法度

「お母さんも、できたら一緒に散歩を続けてください。あなたも家事以外に運動のようなことはしていないでしょう? 気晴らしになります」

「わかりました。リラクゼーションというのは何をすれば」

「ご家庭ではじめやすいのは、ストレッチや足湯ですね。足元から温まると心も温まります。逆に、五つの首が冷えると心も弱りやすくなります」

 首、手首、足首ね。と初田は自分の手首を指す。

「コウキくん、たぶん若いのにかなり肩がこっているでしょう。ストレッチして血流を良くしてね。週に一回朝の九時頃テレビ番組をやっているから、あれを見て実践するのもいい」

「はい。あとで新聞を確認してみます」

 一つ一つをノートにメモしていく礼美。
 文字も整っていて、とても生真面目な性格がうかがえる。

「また来週、どこかコウキくんとお母さんの都合がいい時間に予約を入れよう。そのときに日記を見せてほしい。日記を読み返しながら、そのときに思ったことや対処法なんかを話し合おう」

 コウキは素直にうなずく。