初田ハートクリニックの法度

 寄せられた情報の中から、初田だとわかるものを除外すれば平也の居所を割り出せる。

「せっかく双子なんだから、この顔を利用しない手はないだろう? かくれんぼは終わりにしたいんだ。このままわたしが隠れ続けても、ただの現状維持。新しい手を打たないと、きっとずっとこのままだから」

 初音も友子も、初田がどれだけ苦労を強いられているか見てきた。

 初田の気持ちを痛いほど理解できた。

「それに、恩を売っておいたうちの一人がテレビ局にも顔が利く人だったからね。協力をお願いしたら二つ返事だったよ。うまくいけば兄さんのほうが表を歩けなくなるよ」

「……二つ返事って、にいさん。スピーカーにしなくても私にも聞こえてくるくらいすごい剣幕だったよ。人をあおるのはよくないと思うの」

「リナさんは顔に似合わず血の気が多いですよね。さすがアリスさんのお姉さんです」

 リナとアリスが聞いていたら全力でビンタされそうなことをのたまう。

 無自覚に人の神経を逆なでしていく天才である。

 初音は残念すぎる息子の発言に、頭が痛くなる思いだ。