初田ハートクリニックの法度

 七月の半ばになり、近隣の学校は夏休みに突入していた。

 虎門は照りつける陽光の下、元気に走り回る小学生たちの脇を通り、職業安定所に入る。

 冷えた空気に触れて汗がひいていく。

 虎門は障害者枠で利用者登録をすませていた。

 職探しの話し合いは、今日で四回目になる。

 初田が診断書を出してくれたおかげで、スムーズに登録が進んだ。

 自分の得手不得手を表に書き出したのも大いに役だった。

 臨機応変な接客が苦手だから、スーパーや飲食店といった、不特定多数を相手にする接客業を除外することになりそうだ。

 各都道府県には障害者雇用の支援制度がある。

 就業先が決まると健常者の就労と同様に試用期間が設けられるが、支援機関の担当者がこまめに様子見に来てくれるという。