秀樹が出ていった日付は昨日。
礼美がネズミを見つけた当日だ。
ボールペンで書かれた文面はところどころ文字が震え、書き損じを黒塗りで消している。
礼美が震えるような状況を、おそらく秀樹も目の当たりにした。
妻にすべての責任と後処理を押し付けて逃げたのだと、すぐにわかった。
次に殺されるのは自分だと、本気で思ったんだろう。
やはり中村秀樹という男は、父親としての自覚と責任感が皆無だった。
あまり待たないうちに、コウキが二階から降りてきた。
ウサギ頭を見ても顔色を変えない。
昨日ネズミを殺していたとは思えないような、普通の顔をしている。
「先生。今日は何を話せばいいんだ?」
「今日は絵を描こう。ほら、紙と鉛筆と消しゴムを持ってきたから。実のなる木が見たいな」
「それって治療に関係あるわけ?」
「意味のないことに意味があるのさ」
礼美がネズミを見つけた当日だ。
ボールペンで書かれた文面はところどころ文字が震え、書き損じを黒塗りで消している。
礼美が震えるような状況を、おそらく秀樹も目の当たりにした。
妻にすべての責任と後処理を押し付けて逃げたのだと、すぐにわかった。
次に殺されるのは自分だと、本気で思ったんだろう。
やはり中村秀樹という男は、父親としての自覚と責任感が皆無だった。
あまり待たないうちに、コウキが二階から降りてきた。
ウサギ頭を見ても顔色を変えない。
昨日ネズミを殺していたとは思えないような、普通の顔をしている。
「先生。今日は何を話せばいいんだ?」
「今日は絵を描こう。ほら、紙と鉛筆と消しゴムを持ってきたから。実のなる木が見たいな」
「それって治療に関係あるわけ?」
「意味のないことに意味があるのさ」


