「初田とネルはケンカをしなさそうだ」とよく人から言われるが、そんなことはない。
初田がネルに対して怒ったことはないが、初田がネルを怒らせることならよくある。
お風呂にあるバスボム動物のお茶会メンバーを入れ替えたら、真顔で頬をつねられた。
玄関に置かれた陶器のウサギに眉毛を描こうとしたらデコピンをされた。
いつも謝れば許してくれるけれど、今回はいつものケンカとなにか様子が違った。
ご飯の時は楽しげに今日あったことや明日の予定を話してくれるのに、黙々とトマトを咀嚼している。
「ネルさん、あの……さっきのことですけど」
向かいに座るネルが、じっと初田を見上げる。
眉間のしわが深い。
「……ごめんなさい、初斗にいさん。よくわからないけど、むしゃくしゃしちゃったの。きっとお酒を飲んだらあのときみたいになるし……、ナナさんに同じことをするのかなって思ったら。恋人ができたなら、ちゃんとおめでとうって言わないとなのに。でも、隠れてデートの約束なんてしないで、私にちゃんと教えてくれてもよかったじゃない」
「待ってください、恋人じゃないです、口説いてもいないです」
やはり一番勘違いして欲しくない方向に勘違いしていた。
初田がネルに対して怒ったことはないが、初田がネルを怒らせることならよくある。
お風呂にあるバスボム動物のお茶会メンバーを入れ替えたら、真顔で頬をつねられた。
玄関に置かれた陶器のウサギに眉毛を描こうとしたらデコピンをされた。
いつも謝れば許してくれるけれど、今回はいつものケンカとなにか様子が違った。
ご飯の時は楽しげに今日あったことや明日の予定を話してくれるのに、黙々とトマトを咀嚼している。
「ネルさん、あの……さっきのことですけど」
向かいに座るネルが、じっと初田を見上げる。
眉間のしわが深い。
「……ごめんなさい、初斗にいさん。よくわからないけど、むしゃくしゃしちゃったの。きっとお酒を飲んだらあのときみたいになるし……、ナナさんに同じことをするのかなって思ったら。恋人ができたなら、ちゃんとおめでとうって言わないとなのに。でも、隠れてデートの約束なんてしないで、私にちゃんと教えてくれてもよかったじゃない」
「待ってください、恋人じゃないです、口説いてもいないです」
やはり一番勘違いして欲しくない方向に勘違いしていた。



