「そう、なんだ。でもごめんなさい。連絡先は知らないんだ。この写真も、うちが勝手に憧れてて、隠し撮りしただけだから」
「なら、直接店に行って店長や他の客にあたってみます。歌舞伎町の、どのあたりですか。なんという店ですか」
「【名無しの森】ってバー。すぐそばにアパレルショップがあるの。そこでちょくちょく見かけてた」
初田は急ぎ手帳にメモを取る。
クリニックから電車で一時間半かからないくらいの距離だ。
予想以上に近くに拠点があったようで、ペンを持つ手に力がこもる。
「でも、会えるか分からないよ。今年の正月前には、来なくなったから。店長に聞いてもわからなかった。レンさん、自分のことなんにも話さない人なんだもの。うちも父さんの葬式後はこっちに帰るために仕事やめたから、バーに行ってないんだ」
「兄は干渉されるのが何より嫌いですから。その写真、もらっていいですか? クリニックのホームページにメールアドレスがあるので、そこに送ってください」
「べつにいいけど」
疑る様子もなく、ナナは写真をメール添付して送ってくれた。
「そうだ。わたしが突然行っても怪しまれるだけだから、ちょっと付き合ってもらっていいですか? 顔見知りのナナさんがいれば話がスムーズに行きそうです」
小さくノックの音がして、ネルがアイスティーを持ってきた。
「なら、直接店に行って店長や他の客にあたってみます。歌舞伎町の、どのあたりですか。なんという店ですか」
「【名無しの森】ってバー。すぐそばにアパレルショップがあるの。そこでちょくちょく見かけてた」
初田は急ぎ手帳にメモを取る。
クリニックから電車で一時間半かからないくらいの距離だ。
予想以上に近くに拠点があったようで、ペンを持つ手に力がこもる。
「でも、会えるか分からないよ。今年の正月前には、来なくなったから。店長に聞いてもわからなかった。レンさん、自分のことなんにも話さない人なんだもの。うちも父さんの葬式後はこっちに帰るために仕事やめたから、バーに行ってないんだ」
「兄は干渉されるのが何より嫌いですから。その写真、もらっていいですか? クリニックのホームページにメールアドレスがあるので、そこに送ってください」
「べつにいいけど」
疑る様子もなく、ナナは写真をメール添付して送ってくれた。
「そうだ。わたしが突然行っても怪しまれるだけだから、ちょっと付き合ってもらっていいですか? 顔見知りのナナさんがいれば話がスムーズに行きそうです」
小さくノックの音がして、ネルがアイスティーを持ってきた。



