初田ハートクリニックの法度

 障碍者扱いになることを受け入れたくない、と抵抗していた。

 薬を飲んで症状が抑えられるなら、それで健常者として生きられないのか、と。

 性格や思想を変える薬なんてこの世に存在しないときっぱり告げてしまったが、そんな薬が存在したら、初田は真っ先に自分で試すだろう。

 そのつもりはなくても、場の空気を凍らせる発言ばかりしてしまう。

 普通の人なら空気を読んで、場に合った発言をできる。

「嘉神兄弟の平常は普通の人間にとっての異常」

 と幼い頃から陰口を叩かれていた。

 平也にしろ初田にしろ、方向性が違うだけでどこか異常なのだ。