「ばあさん座れよ。俺、次が降りる駅だから」
「あらまあ、ありがとうねえお兄さん」
おばあさんは何度も頭を下げて空いた席に腰を落ち着けた。
男は癖のある黒髪を左に流し、黒いスカジャンに白いシャツ、デニムに革靴という服装。
背は百八十センチメートルはあり、茶色がかったサングラスをかけていて、醸すオーラはライオンかサメ。
そんな人でも席を譲るのに虎門は譲らなかった。
(こんなだからおれは駄目なんだな)
男は自分で言ったとおり、次の駅で降りていった。
たった一度しか口を開かなかったが、男の声はついさっきまで病院で聞いていた声によく似ていた。
「あらまあ、ありがとうねえお兄さん」
おばあさんは何度も頭を下げて空いた席に腰を落ち着けた。
男は癖のある黒髪を左に流し、黒いスカジャンに白いシャツ、デニムに革靴という服装。
背は百八十センチメートルはあり、茶色がかったサングラスをかけていて、醸すオーラはライオンかサメ。
そんな人でも席を譲るのに虎門は譲らなかった。
(こんなだからおれは駄目なんだな)
男は自分で言ったとおり、次の駅で降りていった。
たった一度しか口を開かなかったが、男の声はついさっきまで病院で聞いていた声によく似ていた。



