診察のあと処方箋を受け取り、虎門は受付で次の診察予約をして帰ろうとした。
「あ、虎門さん。これをどうぞ」
「はい?」
ネルが受付内側に置かれていたネコ耳ガラス瓶を開け、中に詰まっていたイチゴ飴の包みを一つ、虎門に差し出した。
「疲れたときには甘いものがいいですよ。私が昔から好きなアメなんです」
普段飴や菓子の類いは口にしないけれど、虎門は気配りを受け取った。
レストランで会ったときもそうだったが、ネルはさりげなく気遣ってくれる。
先輩のおばさんに怒鳴られてばかりだし、後輩バイトにすら馬鹿にされる始末で、こんなにも優しくしてくれる人は久しぶりだった。
飴を渡してくれた左手には指輪がない。
嫌みな先輩パートですら既婚子持ちなのに、優しくて可愛い女性が未婚だなんて世の中不思議である。
「天気予報を見ていたら、そろそろ雨が降るらしいんですよ。もしよかったら、傘立てにさしてあるウサギ柄の傘を使ってください。次の来院の時にでも戻してくださればいいので」
「ありがとう、ございます」
「あ、虎門さん。これをどうぞ」
「はい?」
ネルが受付内側に置かれていたネコ耳ガラス瓶を開け、中に詰まっていたイチゴ飴の包みを一つ、虎門に差し出した。
「疲れたときには甘いものがいいですよ。私が昔から好きなアメなんです」
普段飴や菓子の類いは口にしないけれど、虎門は気配りを受け取った。
レストランで会ったときもそうだったが、ネルはさりげなく気遣ってくれる。
先輩のおばさんに怒鳴られてばかりだし、後輩バイトにすら馬鹿にされる始末で、こんなにも優しくしてくれる人は久しぶりだった。
飴を渡してくれた左手には指輪がない。
嫌みな先輩パートですら既婚子持ちなのに、優しくて可愛い女性が未婚だなんて世の中不思議である。
「天気予報を見ていたら、そろそろ雨が降るらしいんですよ。もしよかったら、傘立てにさしてあるウサギ柄の傘を使ってください。次の来院の時にでも戻してくださればいいので」
「ありがとう、ございます」



