初田はチェックシートに目を通し、虎門の様子を見て口を開く。
「虎門さん。過去に精神科か心療内科、メンタルクリニックなどに通ったことはありますか」
「薬を飲んだら、おれ、まともに働けるようになりますか。バイトでもいいからしないと、住民税とか、保険料の支払いとか」
「パニックを起こしにくくはなるだろうけど、完全には無理です。世の中に、性格を変える薬はないから」
「それじゃ困る。そういうの治せるのが医者じゃないのか」
微妙にかみ合わない会話をしながら、初田は診断結果を伝える。
「虎門さんは、ASD……自閉スペクトラム症の中でも、アスペルガー症候群である可能性が限りなく高いです。これは先天的なものなので、症状とうまく付き合って生きていくしかありません。今後お仕事を探される際は、障害の特性を職場に伝えた上で雇ってくれる場所を探した方がいいです」
「……おれは障碍者扱いになるってことか? 職場に言わずに済ませられないのか。薬を飲めば症状が出なくなるんじゃ」
これまで健常者として生きてきたのに、障碍者として扱われることになる。
どうにもならない現実に、虎門は泣きそうになった。
「虎門さん。過去に精神科か心療内科、メンタルクリニックなどに通ったことはありますか」
「薬を飲んだら、おれ、まともに働けるようになりますか。バイトでもいいからしないと、住民税とか、保険料の支払いとか」
「パニックを起こしにくくはなるだろうけど、完全には無理です。世の中に、性格を変える薬はないから」
「それじゃ困る。そういうの治せるのが医者じゃないのか」
微妙にかみ合わない会話をしながら、初田は診断結果を伝える。
「虎門さんは、ASD……自閉スペクトラム症の中でも、アスペルガー症候群である可能性が限りなく高いです。これは先天的なものなので、症状とうまく付き合って生きていくしかありません。今後お仕事を探される際は、障害の特性を職場に伝えた上で雇ってくれる場所を探した方がいいです」
「……おれは障碍者扱いになるってことか? 職場に言わずに済ませられないのか。薬を飲めば症状が出なくなるんじゃ」
これまで健常者として生きてきたのに、障碍者として扱われることになる。
どうにもならない現実に、虎門は泣きそうになった。



