初田ハートクリニックの法度

 初田は棚に納めていたファイルから一枚のプリントを取り出し、バインダーに挟む。

 それから鉛筆をバインダーのクリップ部分に挟んで虎門に渡す。

「この設問に正直に答えてください。あなたの傾向を知ることで今後の方針が決まりますので」

「これ書いてなんになるんです」

「あなたを知るために必要なんです。自分に当てはまると思ったら1、まあまあ当てはまると思ったら2、あまり当てはまらないと思ったら3、当てはまらないと思ったら4と、設問横の欄に記入してください」

 ・会話をしていて相手がどう感じているのか理解するのが難しい。

 ・集団行動やグループ活動が苦手だ。

 ・言外の意味を理解するのが難しい。

 ・状況を読み取って行動することができない。
 
 ・好きなことへの集中力はある。

 ・作業の手順が変わると対応できなくなる。

 ・大きな音(掃除機や大声など)が苦手だ。

 こういった設問が十五問ほど記載されている。

 虎門はいぶかしげにしながらも数字を記入していき、五分ほどで初田にバインダーを返した。