それから料理が来るまで話に花を咲かせる。
隣のテーブルでは、ネルたちと同年代の男女がパフェを食べさせあいっこして、甘いムードを漂わせている。
アリスは小声で言う。
「あたし、もし恋人ができてても人前でああいうのできそうにないなぁ」
「ああいうの?」
「食べさせてあげるやつ。普通、恋人か夫婦でもないとしないでしょ」
「そ、そうなの?」
ネルは普段から料理の味見などで初田にやっている。
初田も当たり前のように、野菜スティックなどをネルの口に押し込んでくる。
恋人じゃないとやっちゃいけないこととは知らなかった。
「おまたせしました」
女性店員がネルとアリスのテーブルに料理を運んできた。
トン、とテーブルに置かれたのはからあげ盛り合わせ二皿とミルクスープ。
「焼き魚定食とトマトリゾットは今作っていますので……」
ネルとアリスは顔を見合わせて、目を瞬かせる。
「……あの、私たち、からあげはテイクアウト用でってお願いしたんですけど」
「はああ!? ちょっと虎門! あんたまたやったのね! テイクアウト用は専用の黄色い伝票に書けってもう三回は教えたよね!」
女性店員は鬼の形相で、配膳の途中だった虎門に詰め寄った。
「え、あ、そ、そうでしたっけ、あの、そ、その、ごめんな、さい」
虎門はどもり、視線をさまよわせて、可哀想なほどに怯えている。
「ああもう。ワタシに謝っても意味ないでしょ! 迷惑しているのはお客様なの。さっさとそれ持ってって。それから3番テーブルの伝票をちゃんと書き直しなさい!」
「は、はい。すぐに3番の伝票を……あれ、これ、何番テーブルだったかな」
「5番でしょ」
「はい、5番の伝票を書き直し……」
「違う!」
怒濤の勢いで怒鳴られた虎門は冷や汗をだらだら流し、座り込んでしまった。
ヒューヒューと短く荒い呼吸を繰り返し、持っていたトレーを落とした。
皿が割れる音が響き渡り、まわりの客も騒然となる。
「虎門! ちょっと、またなの!? そんなことしている暇があったら……」
「すみません失礼します」
ネルはすぐ席を立ち、虎門のそばにかけよる。
虎門の背をなで、ゆっくりと声をかける。
隣のテーブルでは、ネルたちと同年代の男女がパフェを食べさせあいっこして、甘いムードを漂わせている。
アリスは小声で言う。
「あたし、もし恋人ができてても人前でああいうのできそうにないなぁ」
「ああいうの?」
「食べさせてあげるやつ。普通、恋人か夫婦でもないとしないでしょ」
「そ、そうなの?」
ネルは普段から料理の味見などで初田にやっている。
初田も当たり前のように、野菜スティックなどをネルの口に押し込んでくる。
恋人じゃないとやっちゃいけないこととは知らなかった。
「おまたせしました」
女性店員がネルとアリスのテーブルに料理を運んできた。
トン、とテーブルに置かれたのはからあげ盛り合わせ二皿とミルクスープ。
「焼き魚定食とトマトリゾットは今作っていますので……」
ネルとアリスは顔を見合わせて、目を瞬かせる。
「……あの、私たち、からあげはテイクアウト用でってお願いしたんですけど」
「はああ!? ちょっと虎門! あんたまたやったのね! テイクアウト用は専用の黄色い伝票に書けってもう三回は教えたよね!」
女性店員は鬼の形相で、配膳の途中だった虎門に詰め寄った。
「え、あ、そ、そうでしたっけ、あの、そ、その、ごめんな、さい」
虎門はどもり、視線をさまよわせて、可哀想なほどに怯えている。
「ああもう。ワタシに謝っても意味ないでしょ! 迷惑しているのはお客様なの。さっさとそれ持ってって。それから3番テーブルの伝票をちゃんと書き直しなさい!」
「は、はい。すぐに3番の伝票を……あれ、これ、何番テーブルだったかな」
「5番でしょ」
「はい、5番の伝票を書き直し……」
「違う!」
怒濤の勢いで怒鳴られた虎門は冷や汗をだらだら流し、座り込んでしまった。
ヒューヒューと短く荒い呼吸を繰り返し、持っていたトレーを落とした。
皿が割れる音が響き渡り、まわりの客も騒然となる。
「虎門! ちょっと、またなの!? そんなことしている暇があったら……」
「すみません失礼します」
ネルはすぐ席を立ち、虎門のそばにかけよる。
虎門の背をなで、ゆっくりと声をかける。



