「訪問診療するんですね」
「ああ。お母さんたってのご希望だからね。招かれていないお茶会には参加できないから。招待されたのだから手土産を持って行こうじゃないか。その間、根津美さんはお留守番を任せたよ」
「はいー。居眠りしないように気をつけます」
ネルは睡眠障害を患っているため、しばしば受付の仕事中でも眠ってしまう。
それを初田が咎めたことはない。
承知の上で雇っているのだ。
「眠くなったら、寝ていい。そのときは留守番電話にしておきなさい。メッセージが入っていたら、あとでわたしが確認して折り返すから」
「えへへ。ありがとうございます。眠くなったら遠慮なく寝ます」
左右違う靴下でも怒られないし、仕事中病気の症状が出て寝てしまっても「気をつけてどうにかなるものじゃないからね」と言ってもらえる。
ネルにとって初田は、雇用主と従業員というだけではなく、父親代わりだ。
本当の家族が介助できないため、ネルは遠縁の親戚である初田に引き取られ、今こうしてクリニックで働いている。
「ああ。お母さんたってのご希望だからね。招かれていないお茶会には参加できないから。招待されたのだから手土産を持って行こうじゃないか。その間、根津美さんはお留守番を任せたよ」
「はいー。居眠りしないように気をつけます」
ネルは睡眠障害を患っているため、しばしば受付の仕事中でも眠ってしまう。
それを初田が咎めたことはない。
承知の上で雇っているのだ。
「眠くなったら、寝ていい。そのときは留守番電話にしておきなさい。メッセージが入っていたら、あとでわたしが確認して折り返すから」
「えへへ。ありがとうございます。眠くなったら遠慮なく寝ます」
左右違う靴下でも怒られないし、仕事中病気の症状が出て寝てしまっても「気をつけてどうにかなるものじゃないからね」と言ってもらえる。
ネルにとって初田は、雇用主と従業員というだけではなく、父親代わりだ。
本当の家族が介助できないため、ネルは遠縁の親戚である初田に引き取られ、今こうしてクリニックで働いている。


