初田ハートクリニックの法度

店長(アタシ)に暴言を吐くだけじゃ飽き足らず、看板娘まで貶す。ずいぶんなめた真似をしてくれるじゃない。買い物に来たんじゃないなら帰りなさい。所属事務所にクレームを入れられる覚悟はできているのよね」

「私がいつ暴言を吐いたって言うの。この店の店長がひどい被害妄想を言うってSNSでつぶやいてもいいのよ。私、フォロワーが一万人いるんだから」

 非を認めないばかりか、さりげない脅しもかけてくる。

 それでも歩は(ひる)まない。
 
「店内には監視カメラもついているから、あんたが店に入ってきたときから今この瞬間まで、ずっと音声付きの動画が記録されているの」

 リナが慌てて店を見回し、カメラを見上げる様子もリアルタイムで監視カメラに映し出されている。

「SNSであんたの大好きなフォロワーの皆さんに判断してもらう? あんたのフォロワーには、少なくとも数名、アタシのような類いの人間もいると思うのだけれど」

 ちらりとだけ見たリナの名刺には、各種SNSのアカウント名とQRコードが載っている。