初田ハートクリニックの法度

 休診日である水曜日。

 初田は家でのんびりと読書をしていた。

 精神医学の研究書はかなりの数出版されているため、新しい物が出るたびに購入して目を通す。

 そろそろ一冊読み終わるかというタイミングで自宅側のチャイムが鳴った。

 普段はネルが応対に出てくれるのだが、あいにくネルは昼寝中だ。

 ウサギマスクをかぶって応対に出ると、玄関の前に立っているのはアリスとコウキだった。

「先生アリスを助けて。俺じゃいい案が浮かばないんだ」

「落ち着いてコウキくん。話を聞くからクリニック側にまわっててくれるかな」

 切羽詰まった様子に、初田は臨時でクリニックを開けて二人を中に招き入れた。