いつまで経ってもアリスが診察室に来ないので、初田が診察室から出てきた。
「こらこらネルさん。仕事中なんだから、おしゃべりは後にしなさい。受付と診察室への案内を先にしないと」
「あー、だめですよにいさん。今の私は根津美さんです」
「根津美さん。受付をしましょうね」
たしなめられて、ネルは頬を両手で叩いてお仕事モードに切り替えた。
初田は皐月にやわらかく会釈をする。
「お母さん、無理を言ってすみません。アリスさんから話を聞いた後に、中学時代の症状や通院の話を聞かせていただきたいのです」
「……本当にあなた、医者なの?」
「医者ですよ。県立総合病院で研修をして、きちんと医師免許を取得しました。疑うなら精神科に問い合わせてください。もともとそこにいたので」
アリスが事前に話しておいたけれど、やはりウサギマスクをかぶって闊歩している姿は珍妙だ。
皐月が呆気にとられている。
「アリスさん、今日は前回よりだいぶ顔色がいいようだね。きちんと食事を取ったのかな」
初田に促されて、アリスは診察室のソファに腰をおちつけた。
他の病院はパイプ椅子かデスクチェアだが、初田のクリニックは座り心地のいい革張りソファだ。
「こらこらネルさん。仕事中なんだから、おしゃべりは後にしなさい。受付と診察室への案内を先にしないと」
「あー、だめですよにいさん。今の私は根津美さんです」
「根津美さん。受付をしましょうね」
たしなめられて、ネルは頬を両手で叩いてお仕事モードに切り替えた。
初田は皐月にやわらかく会釈をする。
「お母さん、無理を言ってすみません。アリスさんから話を聞いた後に、中学時代の症状や通院の話を聞かせていただきたいのです」
「……本当にあなた、医者なの?」
「医者ですよ。県立総合病院で研修をして、きちんと医師免許を取得しました。疑うなら精神科に問い合わせてください。もともとそこにいたので」
アリスが事前に話しておいたけれど、やはりウサギマスクをかぶって闊歩している姿は珍妙だ。
皐月が呆気にとられている。
「アリスさん、今日は前回よりだいぶ顔色がいいようだね。きちんと食事を取ったのかな」
初田に促されて、アリスは診察室のソファに腰をおちつけた。
他の病院はパイプ椅子かデスクチェアだが、初田のクリニックは座り心地のいい革張りソファだ。



