「ごちそうさま」
ミルクパンとマグカップを手早く洗って流し台の前を離れる。
「おいアリス」
「なに」
嫌な気分で振り返ると、有人が腕組みしながら説教を始めた。
「おれは来月で六二。三年後には定年なんだ。いい加減バイトするなり高卒資格を取るなり身の振り方を決めてくれ。リナを見習え。立派に自立しているじゃないか。
それに比べてお前ときたら、高校受験に失敗しただけでなく、その後も働きにも出ないし部屋にこもりきり。どこで育て方をまちがえたんだろうな、同じに育てたリナは真っ当なのに」
昨夜のうちに皐月がアリスの現状を伝えてくれたはずなのだが、有人はあまり理解してくれていないらしい。
昨日、初田もアリスの体型について指摘してきたけれど、それは医者としての注意であり、アリスの体を心配するがゆえの発言だ。
初田は体の回復を最優先にと言った。
仕事をするだの高卒資格を取るだのは二の次三の次だ、と。
有人はそれを聞いた上で、こんな発言をしている。
アリスがあえて入試を放棄した事実を知らずに。
ミルクパンとマグカップを手早く洗って流し台の前を離れる。
「おいアリス」
「なに」
嫌な気分で振り返ると、有人が腕組みしながら説教を始めた。
「おれは来月で六二。三年後には定年なんだ。いい加減バイトするなり高卒資格を取るなり身の振り方を決めてくれ。リナを見習え。立派に自立しているじゃないか。
それに比べてお前ときたら、高校受験に失敗しただけでなく、その後も働きにも出ないし部屋にこもりきり。どこで育て方をまちがえたんだろうな、同じに育てたリナは真っ当なのに」
昨夜のうちに皐月がアリスの現状を伝えてくれたはずなのだが、有人はあまり理解してくれていないらしい。
昨日、初田もアリスの体型について指摘してきたけれど、それは医者としての注意であり、アリスの体を心配するがゆえの発言だ。
初田は体の回復を最優先にと言った。
仕事をするだの高卒資格を取るだのは二の次三の次だ、と。
有人はそれを聞いた上で、こんな発言をしている。
アリスがあえて入試を放棄した事実を知らずに。



