「これまであまり食べてこなかったところをいきなり食べると、胃がびっくりしちゃうからね。ホットミルク、お米が少なめのやわらかいおかゆ、バナナ、ヨーグルト。そういうものを食べられるときに少量でも良いから食べてね」
「ホットミルクならさっきもらったわ」
「それはよかった。根津美さん、毎日作っているからホットミルク作りは得意なんだよ」
初田はまるで見てきたかのような調子で言う。
黙っていたリナが口を開いた。
「本当に、私は付き添わなくてもいいと? アリスのこと心配なんですが」
「だってあなたから聞けることはもうないですし、中学時代の通院のことはお父さんとお母さんじゃないとわからないのでしょう?」
「それは、そうですけど」
「忙しいのなら無理しなくていいです。どうぞご自分のお仕事を全うされてください」
ここまで言われて付き添いになんてこれないだろう。
アリスはリナがもう一緒に来ないことを、心のどこかで嬉しく思った。
ここ最近行った精神科には、今回のように「父さんたちは忙しいから」と理由をつけてリナが同行していた。
男性医師だった場合は大半、姉はきれいなのに、と目が言っていた。
そのたびに惨めな思いをする。
善意で付き添いをしてくれているのに、アリスには姉の善意が重荷だった。
「ホットミルクならさっきもらったわ」
「それはよかった。根津美さん、毎日作っているからホットミルク作りは得意なんだよ」
初田はまるで見てきたかのような調子で言う。
黙っていたリナが口を開いた。
「本当に、私は付き添わなくてもいいと? アリスのこと心配なんですが」
「だってあなたから聞けることはもうないですし、中学時代の通院のことはお父さんとお母さんじゃないとわからないのでしょう?」
「それは、そうですけど」
「忙しいのなら無理しなくていいです。どうぞご自分のお仕事を全うされてください」
ここまで言われて付き添いになんてこれないだろう。
アリスはリナがもう一緒に来ないことを、心のどこかで嬉しく思った。
ここ最近行った精神科には、今回のように「父さんたちは忙しいから」と理由をつけてリナが同行していた。
男性医師だった場合は大半、姉はきれいなのに、と目が言っていた。
そのたびに惨めな思いをする。
善意で付き添いをしてくれているのに、アリスには姉の善意が重荷だった。



