「靴下、間違えてるよ」
もう一度教えると、ネルはコウキの横にお盆を置きながら答える。
「靴下を間違えてもクビになりません。だから私は安心して堂々と靴下を間違えられます」
「どういう理屈」
靴下の左右が違う程度のこと、死ぬほどの失敗じゃないからどうでもいいということらしい。
「紅茶はたくさんあるからもっとたくさん飲んでくださいね。ダージリンさんが嫌いだったときのためにいろんな種類の茶葉で淹れてあります」
コウキは本に集中していて気づかなかったが、よく見たらカウンターの上には所狭しとティーポットが並んでいる。
全部紅茶だ。
「なんで紅茶しかないんだ」
「あら〜、コウキくんのお好みはホットでなくアイスティーなんですか。気がきかなくてごめんなさい。今冷やしてきますね」
噛み合っているようで合っていない。
全然答えになっていない。
「いや、紅茶しかない理由を聞いているんだ」
「ちゃんと選択肢があるじゃないですか。ダージリンさん、アッサムさん、セイロンさん、ディンブラさん、ニルギリさん、ウバさん」
全部同じ白いティーポットなのに、ネルには見分けがついている。
もう一度教えると、ネルはコウキの横にお盆を置きながら答える。
「靴下を間違えてもクビになりません。だから私は安心して堂々と靴下を間違えられます」
「どういう理屈」
靴下の左右が違う程度のこと、死ぬほどの失敗じゃないからどうでもいいということらしい。
「紅茶はたくさんあるからもっとたくさん飲んでくださいね。ダージリンさんが嫌いだったときのためにいろんな種類の茶葉で淹れてあります」
コウキは本に集中していて気づかなかったが、よく見たらカウンターの上には所狭しとティーポットが並んでいる。
全部紅茶だ。
「なんで紅茶しかないんだ」
「あら〜、コウキくんのお好みはホットでなくアイスティーなんですか。気がきかなくてごめんなさい。今冷やしてきますね」
噛み合っているようで合っていない。
全然答えになっていない。
「いや、紅茶しかない理由を聞いているんだ」
「ちゃんと選択肢があるじゃないですか。ダージリンさん、アッサムさん、セイロンさん、ディンブラさん、ニルギリさん、ウバさん」
全部同じ白いティーポットなのに、ネルには見分けがついている。


