「…………って、ずるいじゃん。あたしたち毎日放課後もバスケ部でしごかれてるのに、根津美さんは昼休みに保健室で寝ている上に帰宅部なんだもん。コーチは鬼厳しいし」
「自分からバスケ部に入ったのに、寝ていられるネルさんはズルいと」
「だって、あたしらが昼休み保健室で寝たいって言っても、元気な子は使っちゃ駄目っていわれるし! なんで根津美さんは毎日使えるのって、思ったら悔しくて」
花森は感情を昂ぶらせ、泣き出してしまう。
他の三人がそっと花森の肩に手を添えて、「もう責めないで」というように初田を見上げる。
少女が泣いたくらいでたじろぐ初田ではない。
「ネルさんは好きで昼休みに寝ているんじゃありません。移動中に発作が起きることを考えて、修学旅行も辞退したくらいです。普通に就職することも困難です。人より制限の多い生活が、それでも羨ましくてズルいですか?」
四人とも言葉もなく、自分の足元を見つめる。
昼休みに眠れるという点を除けば、不自由だらけの生活だ。
楽しく遊び回ることができなくて、就きたい職業に就けない可能性もある。その意味をきちんと考えはじめた。
しばらく沈黙した後、花森は涙を拭いながら顔を上げた。
「……ごめんなさい」
「それはネルさんが起きているときに、本人に言ってあげてください。今日はもう帰るので、明日にでも」
「はい」
四人は頭を下げて大人しく保健室を出て行く。
来たときの不遜さはなりを潜めていた。
「自分からバスケ部に入ったのに、寝ていられるネルさんはズルいと」
「だって、あたしらが昼休み保健室で寝たいって言っても、元気な子は使っちゃ駄目っていわれるし! なんで根津美さんは毎日使えるのって、思ったら悔しくて」
花森は感情を昂ぶらせ、泣き出してしまう。
他の三人がそっと花森の肩に手を添えて、「もう責めないで」というように初田を見上げる。
少女が泣いたくらいでたじろぐ初田ではない。
「ネルさんは好きで昼休みに寝ているんじゃありません。移動中に発作が起きることを考えて、修学旅行も辞退したくらいです。普通に就職することも困難です。人より制限の多い生活が、それでも羨ましくてズルいですか?」
四人とも言葉もなく、自分の足元を見つめる。
昼休みに眠れるという点を除けば、不自由だらけの生活だ。
楽しく遊び回ることができなくて、就きたい職業に就けない可能性もある。その意味をきちんと考えはじめた。
しばらく沈黙した後、花森は涙を拭いながら顔を上げた。
「……ごめんなさい」
「それはネルさんが起きているときに、本人に言ってあげてください。今日はもう帰るので、明日にでも」
「はい」
四人は頭を下げて大人しく保健室を出て行く。
来たときの不遜さはなりを潜めていた。



