初田ハートクリニックの法度

 白兎からの電話はネルの検査結果が出たという知らせだった。

 ネルの病室に入ると、私服姿のネルが手を振って初田を迎えた。

 もうPSGの機器は取り外されている。

 グレーのキャミソールに膝丈のスカート、年齢相応の服装だ。

 左右違う靴下をはいていることには気づいているのだろうか。

「おはようネルさん。よく眠れたかい」

「ぐっすり」
 
 初田が病室に入ってからすぐ白兎が来た。

「初田君も目を通してくれ」

 渡されたのはPSGの検査結果だ。

 ナルコレプシー患者の特徴が出ていた。

 白兎はひとつせきばらいをして、ネルに切り出す。

「ネルさん。検査の結果について説明するからよく聞いてほしい。それと、ネルさんはいま夏休み中だろう。今の学校に通い続けるのならば、学校の協力を得る必要がある」

「はい」