初田ハートクリニックの法度

 友子の反応は至って普通の反応。

 ネルを友子の隣に座らせて、いまいちど詳しい話をする。

 白兎の机には同意書が置かれている。

「白兎先生。検査して、病気がわかったら治るんですか」

「血液検査の結果と、それからPSGの結果次第ですが、多くの睡眠障害は何年も通院と投薬治療が必要になります。ネルさんは未成年ですし、普段の症状の変化を観察して報告していただきたい。外から見た症状は眠ってしまっている本人には確認しようがありませんので」

「……無理よ。できないわ。職場が簡単に休みをくれないわ。それに、今でもカツカツの暮らしをしているのに、仕事の時間を減らしたら生活できなくなってしまう。介助と仕事の両立なんてできない」

 子どもが幼稚園児くらいならまだしも、高校生の娘だ。

 中高生の子が介助が必要な状態だと説明したところで、職場の理解は得られにくい。