初田ハートクリニックの法度

「ごちそうさま」

 食事を終えて、初田のポケベルが鳴る。

 友子が来たという連絡だった。

 診察室に向かうと、すでにおおよその話を説明し終えたあとだった。

 友子はひどく青ざめている。

「まさか、そこまで深刻な状態だったなんて。学校の先生からは授業中寝てばかりいて困ると電話がきていたから、私、てっきり……」

「多くの睡眠障害は怠けていると誤認されますから、気づかないのも無理はありませんよ。根津美さん。初田君が気づいてくれてよかったですね」

 白兎に言われて、友子は初田に頭を下げた。

「ごめんなさい初田さん。あなたは本当にきちんとした医者だったのね」

「まあ、兄の話を知っていたら信じられないのも無理はないです」