初田ハートクリニックの法度

「初田先生、本日はお休みではなかったのですか」

「所用でね。白兎(しろうさ)先生のところに」

「そうでしたか」

 看護師が会釈して立ち去り、ネルは初田を見上げる。

「しろうさ先生?」

白兎(しろうさ)(りん)先生。脳神経内科の先生だよ。睡眠系統に支障が出ているなら、おそらくこの科が合っている」

「初斗にいさんは?」

「わたしは精神科。心のお医者さんだ」

「初斗にいさんにぴったりだと思う」

 変人と言われることは数あれど、精神科が似合うなんて言われるのは初めてのことで、初田は笑った。