「別に悪くは思っていないさ。心に余裕がなかっただけだろう。十五年育てた親の言葉より、今日会ったばかりの男の方を信じると言われたら誰だって怒る。それに、わたしも母子家庭育ちだから、お母さんが大変なのはわかるよ」
友子に怒鳴られたことなど、初田はたいして気にしていない。
ネルが母親を嫌っていないことからも、親子関係が悪いわけではないのは察せられた。
初田は車のエンジンをかけて、ネルを促す。
「さあ、乗ってくれ。病院に連絡を入れておいたから、これから向かおう」
「今から?」
「お金の心配なら要らないよ。さっきも言っただろう。君の検査費用は全額わたしが負担する」
事もなげに言ってのけた初田に、ネルは困惑した。
今日会ったばかりのネルのためにそこまでしてくれるなんて、理解ができなかった。
「どうして」
「治療が必要な人を見捨てるのは、医者の法度だからさ。それに、まともに授業が受けられないままだと、この先困るだろう?」
「それは、はい。先生にもサボるな、真面目に授業を聞けないなら来るなと言われてしまって……」
どうして日中突然眠ってしまうのか、ネル本人はわかっていなかったし、怠けていると言われたらどうしようもない。
友子に怒鳴られたことなど、初田はたいして気にしていない。
ネルが母親を嫌っていないことからも、親子関係が悪いわけではないのは察せられた。
初田は車のエンジンをかけて、ネルを促す。
「さあ、乗ってくれ。病院に連絡を入れておいたから、これから向かおう」
「今から?」
「お金の心配なら要らないよ。さっきも言っただろう。君の検査費用は全額わたしが負担する」
事もなげに言ってのけた初田に、ネルは困惑した。
今日会ったばかりのネルのためにそこまでしてくれるなんて、理解ができなかった。
「どうして」
「治療が必要な人を見捨てるのは、医者の法度だからさ。それに、まともに授業が受けられないままだと、この先困るだろう?」
「それは、はい。先生にもサボるな、真面目に授業を聞けないなら来るなと言われてしまって……」
どうして日中突然眠ってしまうのか、ネル本人はわかっていなかったし、怠けていると言われたらどうしようもない。



