拝啓、嘘で結ばれた君へ

「……梛乃(なぎの)。これは、どうやって解いたら良い?」
「ああ。これは、ここに、この公式を代入したら分かるよ」
「なるほど。ありがとな」
 私は理系で、(こう)は文系。
 私は理系科目を教えて、(こう)は文系科目を教える。
 なかなか良い作戦だと思う。
(こう)。これは……?」
「それは――」
 図書室には、人が全くいない。
 まだ一週間前ではないから、部活もある。
 図書室にいるのは、図書委員と、私たちだけだ。
 しかも、図書委員は、今図書倉庫にいるから、実質二人きり。
 真剣に問題を解いている彼を盗み見る。
 なんだか、不思議な気持ちになった。