拝啓、嘘で結ばれた君へ

(こう)!」
梛乃(なぎの)……」
 時計台広場に着くと、(こう)はもう待っていた。
「良かった……。来ないかと思ってた」
(こう)……。ごめん」
 私の口から初めに飛び出してきたのは、謝罪の言葉だった。
梛乃(なぎの)……?」
「……(こう)への告白、あれ、嘘だったの。クラスメイトに流されてやった。……ほんとは、(こう)のこと、好きでもなんでもなくて、ただのクラスメイトだと思ってた」
 申し訳なくて、(こう)の顔が見れない。
「……でも、(こう)と一緒に過ごすうちに、(こう)に惹かれていって……。でも、……でも、私は最低なことをしたから……。(こう)一緒にいる資格なんてないと思って……」
 うまく話せない。
 でも、彼が真剣に聴いてくれているのは分かる。
「それで、申し訳なくなって、勝手に別れを切り出して、理由も言わないで……」
 (こう)の反応が怖かった。
 どう思われるかな……。
「そっか……。やっぱり、そうだったんだ……」
「え…………?」
 やっぱり……?
「なんとなく、思ってたんだ。あの告白の時。俺のこと、別に好きじゃないのかも、って」
 バレてたんだ……。
「でも、良かった。嫌われた訳じゃなかったんだ」
 ほっとしたような笑顔を見せる。
「……梛乃(なぎの)はさ、もう、俺とは付き合いたくない?」
「そんなことない!私は、……(こう)が好き」
「……じゃあ、やり直そう。……もう一度、俺と付き合って欲しい」