拝啓、嘘で結ばれた君へ

「暇ー!」
「暇なら手伝ってよ」
 リビングで叫ぶ。
 課題は大体終わっている。
 春休みも後半だった。
 璃奈(りな)は課題に追われていて、遊びにも行けない。
「……はあ」
 思わず、ため息がこぼれる。

『……優しいよな、梛乃(なぎの)って』

『でもさ、たまには、自分にも優しくしたほうが良いんじゃない?』

『たまには、自分のことも甘やかしなよ。空気読むだけじゃなくてさ』

 ことあるごとに、(こう)のことを思い出してしまう。
「……会いたい」
 会って、謝りたい。
 でも、怖い。

(なぎ)ちゃんさ、……やっぱり、高坂(こうさか)くんのこと、好きだよね?』

 好きじゃない、はずだった。
 ニセモノの関係だと思ってた。
 でも、いつの間にか私は、君に惹かれていたんだね。

(なぎ)ちゃんが、本当はどうしたいか、春休みで、考えてみたらどう?』

 璃奈(りな)にそう言われた。
 私が、どうしたいか――。
 考えても、分からない。
 (こう)とちゃんと話したい。
 でも、その為には、『ウソコク』についての話もしないといけない。
 その話をしたら、(こう)は、私のことを嫌うよね……?
 そんなの、嫌だよ……。
 でも、(こう)と話せなくなるのも、嫌。
 三年生になったら、クラスが変わるかもしれない。
 そうなったら、もう二度と話せない――。