「すみれ様っ……危険です、早く下がりましょう……!」
「でもっ……暁臣様が……っ!」
激しい火花と風圧の中、私はただ、雷光の先に立つ暁臣様の姿を悲鳴のような思いで見つめ続けた。
「お前こそ……『黒薔薇』の力を、あまりに舐め過ぎだ」
暁臣様の低く、地を這うような掠れ声。
祈るように握られていた両の掌が、ゆっくりと開かれる。
その中心に、光すら透過させない漆黒の球体が、不気味に浮かび上がっていた。
掌の動きに呼応するように、球体は脈動し、恐ろしい速度で膨張していく。
球体が巨大化すると同時に、周囲に台風さながらの暴風が巻き起こり、黒い渦へと吸い寄せられ始めた。
結い上げた髪が風にほどけ、視界を塞ぐほど乱れ飛ぶ。
「暁臣様……っ!」
両腕いっぱい——いや、それ以上。
暁臣様の前に育った漆黒の球体は、東宮殿下がその身に纏う荒ぶる雷光までも、風と共に凄まじい勢いで吸い込み始めた。
咲き乱れていた草花も、小石も、剥がれた土くれも。一瞬で闇に呑まれ、消えていく。
「俺に、雷は効かん」
「ほう。噂には聞いていたが、面白いね。——だが、それがいつまで続くんだろうね?」
天に掲げられていた東宮殿下の掌。
彼が細い人差し指を立て、死刑宣告のようにすっと下ろした瞬間——
——バリッ!!!
鼓膜を劈くような落雷が、暁臣様めがけて垂直に落ちた。
「っ!!!!?暁臣様!!」
「でもっ……暁臣様が……っ!」
激しい火花と風圧の中、私はただ、雷光の先に立つ暁臣様の姿を悲鳴のような思いで見つめ続けた。
「お前こそ……『黒薔薇』の力を、あまりに舐め過ぎだ」
暁臣様の低く、地を這うような掠れ声。
祈るように握られていた両の掌が、ゆっくりと開かれる。
その中心に、光すら透過させない漆黒の球体が、不気味に浮かび上がっていた。
掌の動きに呼応するように、球体は脈動し、恐ろしい速度で膨張していく。
球体が巨大化すると同時に、周囲に台風さながらの暴風が巻き起こり、黒い渦へと吸い寄せられ始めた。
結い上げた髪が風にほどけ、視界を塞ぐほど乱れ飛ぶ。
「暁臣様……っ!」
両腕いっぱい——いや、それ以上。
暁臣様の前に育った漆黒の球体は、東宮殿下がその身に纏う荒ぶる雷光までも、風と共に凄まじい勢いで吸い込み始めた。
咲き乱れていた草花も、小石も、剥がれた土くれも。一瞬で闇に呑まれ、消えていく。
「俺に、雷は効かん」
「ほう。噂には聞いていたが、面白いね。——だが、それがいつまで続くんだろうね?」
天に掲げられていた東宮殿下の掌。
彼が細い人差し指を立て、死刑宣告のようにすっと下ろした瞬間——
——バリッ!!!
鼓膜を劈くような落雷が、暁臣様めがけて垂直に落ちた。
「っ!!!!?暁臣様!!」



