守る。
その言葉が、すとんと胸の空洞に落ちた。
そうだ。暁臣様はいつだって、私が私であることを守ろうとしてくださる。
誰かに塗り潰されないように。消えないように。
「暁臣様……」
「俺が見たいのは、衣裳の出来栄えではない……これを纏って俺の前に立つ、花嫁のすみれだ」
声が震えたのは、怖さじゃない。胸の奥が熱くて、言葉が追いつかない。
不意に、暁臣様の瞳に宿る熱が色濃くなった気がして、心臓の音が耳元まで届くほどに高鳴った。
視線を逸らしたいのに、逸らせない。逃げる場所がないのに、嫌じゃない。
花菱屋の主人が、二人の空気に当てられたのか、ほんの少しだけ目を細めて微笑む。
「承知いたしました。では、こちらの白を基調に。鶴の刺繍はあえて控えめに——けれど、お隣へ近づいた者にだけその精緻さが伝わるよう、気品をもって仕立てさせていただきます」
その言葉を背中で聞きながら、私はもう、反物から目を離すことができない。
白が怖い。けれど、暁臣様の言葉が、私の中の怖さを一枚ずつ剥がしていく。
あんなに怖かったはずの白。
けれど、暁臣様が『これだ』と指し示してくれた瞬間、その白は、私を温かく包み込んでくれる盾のように見えた。
盾の向こうに、私は——ようやく、立ってもいい場所を見つけた気がした。
その言葉が、すとんと胸の空洞に落ちた。
そうだ。暁臣様はいつだって、私が私であることを守ろうとしてくださる。
誰かに塗り潰されないように。消えないように。
「暁臣様……」
「俺が見たいのは、衣裳の出来栄えではない……これを纏って俺の前に立つ、花嫁のすみれだ」
声が震えたのは、怖さじゃない。胸の奥が熱くて、言葉が追いつかない。
不意に、暁臣様の瞳に宿る熱が色濃くなった気がして、心臓の音が耳元まで届くほどに高鳴った。
視線を逸らしたいのに、逸らせない。逃げる場所がないのに、嫌じゃない。
花菱屋の主人が、二人の空気に当てられたのか、ほんの少しだけ目を細めて微笑む。
「承知いたしました。では、こちらの白を基調に。鶴の刺繍はあえて控えめに——けれど、お隣へ近づいた者にだけその精緻さが伝わるよう、気品をもって仕立てさせていただきます」
その言葉を背中で聞きながら、私はもう、反物から目を離すことができない。
白が怖い。けれど、暁臣様の言葉が、私の中の怖さを一枚ずつ剥がしていく。
あんなに怖かったはずの白。
けれど、暁臣様が『これだ』と指し示してくれた瞬間、その白は、私を温かく包み込んでくれる盾のように見えた。
盾の向こうに、私は——ようやく、立ってもいい場所を見つけた気がした。



