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異能管理局を出て少し歩いた所に、人通りの多い商店街がある。
気晴らしに見ようと思ったけれど、品物を眺めても、買うお金は一文もない。
石段に腰かけて賑わう様子を遠目に見た。
(あぁ…もし、良い異能に目覚めていたら…こんな風にはならなかったんだろうなぁ…)
膝をかかえて、明るく楽しそうな人達をじっと見つめながら考えていた。
まだ明るいから良いけれど、これで日が落ちたらもっと焦ってしまう。
そんな気持ちになっていると、キキッと自転車のブレーキ音が聞こえた。
「あれ…? もしかして、澄ちゃん…? あ! やっぱり澄ちゃん!」
音に反応して顔を上げると、嬉しそうに笑っている同い年の青年と目が合った。
彼は、内海家に配達に来る酒屋の息子・潮。
「こんにちは、潮さん」
「外で会うなんて珍しいね。どうしたの?」
自転車を近くに停めると、澄の隣に腰掛けた。
潮は良い人なのだが、距離が近い。
澄は愛想笑いをしながら少し距離を取った。
「えっと…少し」
「あっ! てか澄ちゃん、それ!」
「っ…」
誤魔化そう、そう思ったが風で髪が揺れ、首筋の痣が覗いた。
その瞬間、声が大きくなった。
その反応に、澄は慌てて首筋を押さえた。

