契約結婚ですが、旦那様は私に触れられません 〜光と闇が紡いだ奇跡〜


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異能管理局での登録は、驚くほどあっさり終わった。

「はいはい。手続きはこれで完了です。お疲れ様でした」

手続きは、書類一枚に名前、年齢、発症した能力について書くだけで終わった。
淡々としたやり取りに、モヤモヤとした感情が残った。

「あの…私の異能って何なのでしょうか…?」

長い髪を手で掬い上げ、対応してくれた職員に見せると疎ましい者を相手にするような表情をされた。

「あぁ、そういのはちょっと。痣を見ても、此方は専門職ではありませんし…次の方ー」
「あ、じゃあ…異能返還についてなんですけど」
「あー、はいはい。それは、この紙に書いて下さいね。ただ、今日登録したばかりなので、一週間くらい待ってからもう一度届け出て下さいね。はい、お待たせしましたー」

澄の話は、まともに取り合ってもらえず、職員は次の者の対応へと移ってしまった。
澄の手に残されたのは、一枚の『異能返還届出書』という紙のみ。

しかも、まだ提出ができない。
ということは、一番の問題は、お金を稼ぐ術がないことだった。
忌み能力に与えられる仕事なんて、ほぼ皆無。
国では、忌み能力を持つ者が一般職へ就くことを禁じている。
力を悪用されれば、一般人では止める術がない。

どう考えても、打つ手がない。
重い足取りで異能管理局を後にした。