☆☆☆
そして迎えた、会合当日。
笹森が運転する車に揺られ数十分。
目的地に近づくにつれ、憂鬱な気持ちが増す律。
対照的に、澄は早く映る外の景色に目を奪われて柔らかな笑みを浮かべていた。
「…楽しいか?」
思わず、彼女にそう問いかけるほど喜んでいるように見えた。
「は、はい…っ。それに、今日いらっしゃる方達はみなさん、古くから繋がりがあるそうですね。だから、頑張らないととは思うのですが、今は…こちらの方が気になって」
律と話していても、外の方が気になる澄。
「…澄。先に話しておかなければならないが、今日の会合… 楽しめる場ではない。少し顔を出して、すぐに帰るぞ」
律はまだ、今の久遠家がどのような扱いを受けているのか澄に話せていなかった。
「そう…なのですか?」
律が言うなら仕方ないと納得しようとする反面、寂しい気持ちがあった。
それを可哀想には思ったが、長い時間その場に居させる方が辛い思いをさせると思うと、言葉を飲んだ。
「旦那様、奥様。お待たせ致しました。本日の会場、西園寺邸です」
「わ…すごい。立派なお屋敷…」
車から降りると、目の前に現れた広大な敷地、立派な門。
門だけで、月城家の屋敷が何軒も入りそうだった。
格式の高さに目を見開いた。

