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数日後、律の悶々とした気持ちは晴れる事がなかった。
「しかし…どこから漏れた。俺と澄が婚姻したこと。何故あいつらが嗅ぎつけたんだ」
書斎に笹森を呼ぶと、先日伝えられた会合の招集について再度問うと、言いにくそうに口を開いた。
「確信はないのですが、恐らく…」
笹森が語ったのは、久遠家に配達に来る酒屋の息子、潮だという。
というのも、澄と潮は知り合いで話が弾む。
更に、澄に久遠家が人を探している事を教えたのは潮。
澄が話さずとも、久遠家で生活しているのを知れば、自然と察して、話が漏れたのだと笹森は考えた。
「なんだと。その酒屋の注文、全てやめろ。他の酒屋に変えるんだ」
「お言葉ですが、旦那様。それをすると…奥様の楽しみも奪ってしまいかねません…ほら、あちらに」
書斎の窓からは、裏口の様子が見える。
そこにいたのは、丁度配達に来た潮。
使用人と澄が、潮を迎え楽しそうに話している姿。
「チッ…まぁいい。アイツらが余計な真似をすれば、全員まとめて幽界に放り込んでやる」
苛立ちにより、手のひらから闇の靄が漏れた。
「澄様なら、誰に対しても誠実に接されます。きっと皆様も、すぐに澄様のお人柄をお分かりになるでしょう」
律を落ち着かせるよう伝えたが、この言葉は笹森をはじめ、使用人全員の言葉といっても過言ではなかった。

