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「異能力『幽界』ーー解」
あれから半日経過し、雨が上がった頃には空は真っ暗だった。
幽界を解くと、元の場所へ戻ると澄はカーペットの上ですやすやと眠っていた。
「さすがに床で寝かせるわけにはいかんか」
分かっていたけれど、澄に手を伸ばすとパチっと火花が散った。
手から黒い靄を出して吸収すると、困惑した表情でじっと見つめた。
すると、ドアをノックする音が聞こえた。
「奥様、笹森です」
「金谷です」
「ーー入れ」
眠っている部屋主に代わり、律が返事をすると一瞬間があったもののゆっくりと扉が開いた。
「当主様。申し訳ありません。お休み中とは存じませんで…」
「構わん。笹森、悪いが澄をベッドに…お前達。何してるんだ」
笹森と金谷が部屋に入ったと思えば、背後には他の使用人もいた。
彼らの手には料理が盛られた皿があった。
「奥様が、朝も昼も…そして、夕食も召し上がらないだなんて…」
「食べ易いものを…と、思ったのですが、もし奥様がお腹を空かせていたらと思うと…」
たくさんの香ばしい匂いが部屋に充満すると、澄がむくりと起き上がった。
「…いい香り」
「澄…起きたのか」
「おはようございます…という時間ではなさそうですね」
幽界から元の世界へと戻り、ふと辺りを見渡すと外が暗いことに気付きぼんやりと呟いた。

