「…えぇ。出て行けと言われましたので」
「っ…! そんな…」
淡々と答える澄に、清子は言葉を詰まらせた。
「澄様は、当主の姉上様の子…! それなのに…!」
「…仕方ありませんよ。私、忌み能力を持ってしまったのですから」
澄以上に感情的になる清子。
そんな彼女の優しさに、長い髪を手で掬い上げて首筋を露わにした。
「そ、それは…!」
「火でも、水でも、風でも、電気でもありません。叔父上様が私の面倒を見て下さったのも、お母様の異能を引き継ぐと思っていたからです。だから…仕方ありません」
首筋に出た痣を見せると、それ以上言えなくなった清子。
痣を晒すのをやめると、「それでは」と一番仲の良かった清子にでさえ、短い挨拶で済ませて屋敷を後にしようとした。
「これから…どうなさるのですか…?」
「…そうですね、とりあえず異能管理局へ行ってきます」
落ち着いた口調でそう告げると、清子が口を開いた。
「そう、ですね…。異能が出たら報告する義務がございますから」
「そして、すぐにでも異能返還をしようと思います」
「えっ…!?」
澄が戸惑う事なく、『異能返還』という選択をした事に清子は目を丸くした。

