「…まだ気にしていたのか」
「…申し訳ありません」
「謝るな。過ぎたことだと言っただろう。いつまでも根に持つな」
律にそう言われれば、それ以上何も言えなくなってしまう。
あの日以来、律は澄を床へ誘わなくなった。
(きっと…次の光の異能者が見つかれば、追い出される。それまでに、何とかしなければ…)
内心、そう考えながら彼の後ろをついて食堂へ向かった。
「そうだ、澄」
「はい。なんでしょう?」
「今日は外出を控えろ。もうじき雷雨になる」
「っ…わ、わかりまーー」
律が伝えて間もなく、雷鳴が轟いた。
その瞬間、澄の体は凍りついたように動かなくなり、脂汗が滲み出た。
「…始まったか。だから、澄。今日、外出は…澄?」
廊下にある窓から、遠くで雷が光るのを見ると表情を引き攣らせた。
澄にそう伝え、くるりと振り返ると彼女の異常な表情に小首を傾げた。
「も、申し訳ありません……少し、お部屋へ戻ってもよろしいでしょうか」
「…そうか。では、先に参るぞ」
律が再び食堂の方へと向かうと、澄は急いで自室へと戻った。
自室に入ると、窓が全て閉まっているのを確認してカーテンを閉め切った。

