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ぱちっと目を覚ますと、そこは久遠家。
「はっ…! へ…?」
夢だったのだと悟ると、ホッと安堵した。
けれど、頬に伝う涙は冷たく垂れた。
(…久しぶりに見たわ、あの夢)
頬に伝う涙を指で拭うと、ぼんやりと窓の方へ視線を向けた。
窓に打ちつける雨を見て、「っ…」と息を飲んだ。
「今日は雨…か。このまま止んでくれたらいいけど」
ぼんやりとそう呟き、寝巻きから着物へと着替えた。
化粧を終え、髪を結い終えると、考えるのは先日の律との事。
「今日追い出されたら…どうしよう…」
そんな不安をぼそりと呟いた。
朝食の時間さえ避ければ、律と会うことはない。
彼は日中、仕事へ出ている。
夜ご飯の時間も、別々。
だから、朝さえ会わなければ…そう思いながら部屋のドアを開けると、丁度澄の部屋の前を通る律がいた。
「あっ…お…おはようございます。旦那様」
「…あぁ。おはよう」
会わないように過ごそうと思ったのに、早速出会ってしまった。
気まずいと思いながらも、彼の後ろをついて歩き声をかけた。
「あの…旦那様」
「なんだ」
「その…頬のお加減、いかがですか…?」
恐る恐る尋ねると、律は歩きながら答えた。

