☆☆☆
使用人達との楽しい食事を終え、入浴も済ませた。
『寝るまでの準備ができたら、俺の部屋へ来い』
食事を始める前に律に言われた事が、頭の中で何度も再生される。
(部屋に来いって…つまり、そういう事…でしょう…!?)
律の部屋の前で、扉をノックしようとして手を上げては下ろすというのを繰り返した。
扉の前でもじもじしていると、ドアが開いた。
「…何をしてるんだ」
「あっ…旦那様…」
じっと見つめられると、緊張から固まって声を震わせた。
「…別に、今すぐとって食おうなんて思ってない」
「へ…? あ、えと…」
「とりあえず、入れ」
緊張と不安から声を震わせていると、その様子を見た律は、気まずそうに視線を逸らした。
彼なりに気遣ってくれたのだと思うと、心を入れ替えて深呼吸してから部屋へ入った。
部屋も書斎と同様に、整えられた清潔感のある場所だった。
「ここに座ればいい。少し話すか?」
「は、はい…きゃっ…」
そう言うと、彼が先にベッドに腰掛け隣をポンと軽く叩く。
ちょこんと控えめに座ると、思っていたよりも深く沈み思わず後ろへ倒れ込んだ。
「大丈夫か?」
咄嗟に支えようとした律は、気付けば澄を見下ろす体勢になっていた。
真剣な顔で心配しているが、顔の距離に澄の頬は赤く染まった。

