「あ、あの…本当に、私でよろしいのでしょうか…?」
「あぁ、月城殿だから、だ。光の異能力を開花させた貴女だから」
恐る恐る尋ねる澄に、力強く頷く律。
「あの…光の異能力というのを、先に教えてもらってもよろしいですか…?」
「あぁーー笹森」
「はい」
澄にこくりと頷くと、笹森にアイコンタクトをした。
すると、笹森が一枚の巻物を持ってきた。
「これは…?」
「上級名家のみが持つことを許されている、異能力の構図だ」
澄に説明をしながら巻物を開く律。
上級名家とは、人間と妖の血を受け継ぐ由緒ある一族のこと。
妖から直接異能を受け継いだため、他家よりも強い力を宿していると言われている。
《幻》《守護》《治癒》《闇》――巻物の中には、澄の知らない異能力がたくさん書かれていた。
「火、水、風、電気ーーこれらが良家と呼ばれる異能力ということは、知っているな?」
「は、はい…」
律の問いかけにこくりと頷いた。
「他の異能を『忌み異能』と呼んでいるが、例外がある」
「例外…?」
「そう。例えば、貴女の光の異能力。その力は妖から受け継がれるものではない。ごく稀に、人へ突発的に宿る。あらゆる異能の始まりとされる『始祖の異能』だ」
「始祖の異能…?」
突然話の規模が大きくなり、目を丸くした。
忌み異能にそのようなものがあるなんて、知らなかったからだ。

