「月城 澄と申します」
澄が名乗り頭を下げて顔を上げると彼と目が合った。
彼は一瞬目を見開き、澄と目が合うと静かに目を細めた。
表情が少し柔らかくなった。
「久遠家当主、久遠 律です。光の異能を開花させ、我が久遠家へ御足労頂き感謝します」
「あ、あの…」
恐る恐る申し出ると律が小首を傾げた。
「…何でしょう?」
「あの…光の異能って、何ですか…?」
そう尋ねると、律と笹森は驚いた表情で澄を見た。
「…笹森。彼女に何も説明していないのか?」
律が笹森をじっと見ると、深々と頭を下げた。
「申し訳ありません。光の異能力を持つ方にお越しいただけた事に驚いて…早く旦那様に報告をと思いまして…月城様、行き急いでしまい申し訳ありません」
「い、いえ…」
澄にも頭を下げる笹森。
人に頭を下げられた事などなく、澄は慌てた。
「まぁいい。色々と聞きたいこともあるだろう。座ってくれ」
澄にそう伝えると、ソファーへ座るよう伝えた。
言われた通り、ソファーに腰掛けると上質な布の柔らかさに、落ち着かない気持ちになる。
内海家の造りは和が中心でソファーに座るのは初めてだった。
物珍しく、布をじっと見つめて手で撫でると律が「こほん」と咳払いをした。

