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商店街を抜けると、自然豊かな緑が生い茂っている。
民家は一軒も見当たらない。
このような場所に本当にあの久遠家があるのかと不思議に思った。
しかし、一本道を十分ほど歩くと、洋風な構えの立派な屋敷が現れた。
「ここが…久遠邸…」
ごくりと生唾を飲み、覚悟を決めてから呼び鈴を鳴らした。
「はい。どちら様でしょうか?」
静かな屋敷に呼び鈴の音だけが響いて、十数秒。
屋敷から柔らかそうな雰囲気の初老の男性が出てくると、門越しに澄を見て尋ねた。
「あ…あの。突然申し訳ありません。私、月城 澄と申します」
「月城様、でございますか」
男性が聞き返すと、澄はこくりと頷いた。
「本日はどのようなご用件でしょうか」
再度、男性が問うと澄は恐る恐る口を開いた。
「あの…人をお探しと伺いました。異能を持っている女性を、と…」
「なるほど、その件でございますね。それでは月城様、お尋ねしますが貴女はどのような異能をお持ちでしょうか?」
「…分かりません」
男性の問いに俯きがちにぼそりと呟けば、男性は一瞬、言葉を失った。
「分からない…?」
「はい。本日、痣が出たばかりで…。異能管理局でも尋ねたのですがこの痣の異能について、教えてもらえませんでした」
そう言うと、澄は長い髪を手で掬い上げて男性に首の痣を見せた。
痣を確認した瞬間、男性は息を飲んだ。

