「あ……あの……暁臣、様……」
自室の扉を閉めると同時に、耐えきれず、すみれを腕の中に閉じ込めていた。
迷いなく抱き寄せたその身体は、驚くほど柔らかく——数日分の渇望を埋めるに十分な熱を帯びている。
彼女の体温が、骨の奥まで沁みる。
触れられると言うだけで、俺はこんなにも救われてしまうのか。
たった一週間ほど顔を合わせないだけで、己の理性がここまで脆く崩れ去るとは。
それを自覚していたからこそ、あえて突き放すように『休め』と言った。
……これ以上、求めてしまったら、止まれなくなると思ったからだ。
だが結局、彼女の健気な追走に、俺の決意など何の意味もなかった。
「……もう少し。このままでいさせてくれ」
独り言のように呟き、彼女の細い肩に顔をうずめる。
しばらくこの家を空けていたすみれからは、以前の淡い花の香りに加え、鷹宮邸の香の匂いが微かに混じっていた。
——あちらにいた。俺の目の届かない場所に。
その事実が、喉の奥に刺のように残り、独占欲を煽る。
自分でも呆れるほど浅ましい。
だが、抑えられない。
ふと、腕の中の『違和感』に気づいた。
いつもなら抱き寄せると、すみれは小動物のように縮こまり、身体を固くして緊張を露わにする。
だが、今は違う。
まるで俺の剥き出しの想いに応えるかのように、彼女は自ら背に手を回し、
俺の服をぎゅっと握りしめて——しがみついてくるのだ。
先ほど、鷹宮邸の廊下で抱きしめた時もそうだった。
彼女の中で、何かが変わった。
その変化が愛おしく、同時に恐ろしい。
必死に押し留めていた、男としての暗い欲望が制御不能になりそうで——俺はあえて、すみれの身体を一度だけ解放した。
「あ……」
「ん?どうした、すみれ」
「いえ……その、もう少しだけ……こうしていたかった、と……」
自室の扉を閉めると同時に、耐えきれず、すみれを腕の中に閉じ込めていた。
迷いなく抱き寄せたその身体は、驚くほど柔らかく——数日分の渇望を埋めるに十分な熱を帯びている。
彼女の体温が、骨の奥まで沁みる。
触れられると言うだけで、俺はこんなにも救われてしまうのか。
たった一週間ほど顔を合わせないだけで、己の理性がここまで脆く崩れ去るとは。
それを自覚していたからこそ、あえて突き放すように『休め』と言った。
……これ以上、求めてしまったら、止まれなくなると思ったからだ。
だが結局、彼女の健気な追走に、俺の決意など何の意味もなかった。
「……もう少し。このままでいさせてくれ」
独り言のように呟き、彼女の細い肩に顔をうずめる。
しばらくこの家を空けていたすみれからは、以前の淡い花の香りに加え、鷹宮邸の香の匂いが微かに混じっていた。
——あちらにいた。俺の目の届かない場所に。
その事実が、喉の奥に刺のように残り、独占欲を煽る。
自分でも呆れるほど浅ましい。
だが、抑えられない。
ふと、腕の中の『違和感』に気づいた。
いつもなら抱き寄せると、すみれは小動物のように縮こまり、身体を固くして緊張を露わにする。
だが、今は違う。
まるで俺の剥き出しの想いに応えるかのように、彼女は自ら背に手を回し、
俺の服をぎゅっと握りしめて——しがみついてくるのだ。
先ほど、鷹宮邸の廊下で抱きしめた時もそうだった。
彼女の中で、何かが変わった。
その変化が愛おしく、同時に恐ろしい。
必死に押し留めていた、男としての暗い欲望が制御不能になりそうで——俺はあえて、すみれの身体を一度だけ解放した。
「あ……」
「ん?どうした、すみれ」
「いえ……その、もう少しだけ……こうしていたかった、と……」



